新型コロナウイルスのニュースでECMO(エクモ)って聞くけど何だろう?
ニュースやインターネットでECMOが話題になっているね。本日はいま話題のECMOについて解説するね。
- 肺と心臓の役割について
- ECMOとは
- ECMOの種類について
本記事の執筆者
肺と心臓の役割について
まずはECMOについて解説する前に人間の肺と心臓の役割をおさらいするよ。
肺の役割
肺の役割は、たくさんの肺胞に空気を吸い込んで吸気に含まれる酸素を血液に与え、呼気で血液中の二酸化炭素を体外に排出することです。
心臓の役割
心臓の役割は、静脈の血液を肺に送り、肺からの血液を動脈から全身に送ることです。
肺と心臓の役割をおさらいしたところでECMOについて解説します。
ECMOとは
ECMO(エクモ)とはExtraCorporeal Membrane Oxygenationの頭文字をとったものです。日本語では体外式膜型人工肺と表記されます。
ニュースやインターネット、教科書ではECMOと表記されていることがほとんどだよ。
ECMOは人間の肺の役割を代行して、酸素を血液に与え血液中の二酸化炭素を対外に排出する人工肺と、心臓の代行をして血液を全身に送る血液ポンプによって構成される補助循環装置です。
患者さんの別々の二か所の血管に太い管を入れ、一か所の血管から血液ポンプで血液を体外へ取り出し、人工肺で血液に酸素を与え二酸化炭素を排出します。そしてもう一か所の血管にその血液を送り込みます。
血液を体外に取り出すことを脱血、血液を送り込むことを送血といいます。
う~ん・・・。いまいちイメージがわかないです。
もう少しわかりやすくするために、図解で示すね。
何とな~くイメージがついたかな。
ECMOの種類
実はECMOは全部で3種類にわけられるよ。そしてそれぞれ使用用途が異なります。
VV-ECMO
VV-ECMOとは、V(静脈)から脱血(血液を体外へ取り出す)して、V(静脈)へ送血(血液を送り込む)する方法。
大腿静脈に脱血の管、内頚静脈に送血の管を入れます。
主に、肺(呼吸)のサポートを行う目的で使用します。
V(静脈)からV(静脈)へ血液が流れるからVV-ECMOというよ。
VV-ECMOについて詳しく知りたい方は、下記の記事も見てね。
VA-ECMO
VA-ECMOとは、V(静脈)から脱血(血液を体外へ取り出す)して、A(動脈)へ送血(血液を送り込む)する方法。
大腿静脈に脱血の管、大腿動脈に送血の管を入れます。
主に、心臓のサポートを行う目的で使用します。
V(静脈)からA(動脈)へ血液が流れるからVA-ECMOというよ。
central ECMO
central ECMOとは、V(静脈)から脱血(血液を体外へ取り出す)して、A(動脈)へ送血(血液を送り込む)する方法。
右心房に脱血の管、上行大動脈に送血の管を入れます。
小児患者さんに対してECMOを使用する時に多い方法で、上記で説明したVA-ECMOと同じです。
違うところは、手術で胸を大きく開いて(開胸)、直接ECMOの管を心臓の右心房と上行大動脈へ入れることです。
胸を大きく開くので他のECMOより感染のリクスが高いといえます。
なぜ、小児患者さんには通常のECMOが使用できないのですか?
小児の患者さんは、大腿静脈や大腿動脈の血管が未発達で細いため、管を入れることができないからだよ。
ECMOを学ぶのにオススメの本
ECMOを勉強するのにオススメな本を3冊紹介するね。
まとめ
- ECMOは心臓と肺の代行をする補助循環装置である
- 二か所の血管に太い管を入れる必要がある
- ECMOはVV-ECMOとVA-ECMO、 central ECMOの3種類