新型コロナウイルスの流行で、パルスオキシメーターという名前を一度は聞いたことがあると思います。
しかし、
名前はよく聞くけど、どんな機械かわからない。
と疑問を抱いている方が多いのではないでしょうか。
実際にパルスオキシメーターについて説明している本を見ても、専門用語ばかりでよくわからないという声を聞いたりします。
今回は、パルスオキシメーターの基本的なことを簡単にわかりやすく解説したいと思います。
この記事を最後まで見れば、パルスオキシメーターの基本的な知識が身に付きます。
- パルスオキシメーターとは何か
- パルスオキシメーターの測定原理について
- パルスオキシメーターの正常値について
- パルスオキシメーターの注意点について
本記事の執筆者
パルスオキシメーターとは
パルスオキシメーターとは、採血することなく指先などに光をあてることによって体内の酸素の状態をリアルタイムで測定できる機器です。
正確には、動脈血の酸素飽和度を測定しているよ。
病院の外来や手術室、集中治療室、病棟、クリニックなど幅広く使用されています。
心臓から全身に運ばれる血液(動脈)に含まれる酸素の飽和度を皮膚を通して測定し、その測定値をSpO2(エスピーオーツー)と呼ばれ、%で表示されます。
酸素の飽和度って何ですか。
血液中の酸素は赤血球中のヘモグロビンによって全身に運ばれます。
飽和とは最大限の状態を指すので、酸素飽和度とはヘモグロビンが運べる最大限の状態に対し、実際に肺にある酸素を血液中にどれだけ取り込んで全身に運べているかを表します。
肺炎などで肺がダメージを受けると、肺から血液に酸素が取り込めなくなります。
その結果、酸素飽和度が下がってくるよ。
従って、パルスオキシメーターが重症度の指標を見つけるツールとなってきます。
パルスオキシメーターは基本的に指先に挟むクリップタイプが主流です。
他の測定部位として額や耳たぶがあります。
指先で測定できない場合に額や耳たぶを使用します。
ちなみに指先で挟むクリップタイプは、通販でも販売されているので個人で購入している方もいます。
新型コロナウイルスで在宅療養されている方には必須の機器です。
通販サイトによっては売り切れになっているよ。
厚生労働大臣の登録を受けた登録認証機関で医療機器として認証されたパルスオキシメーターです。
コスパを求めるならこの1台。最初の1台にオススメです。
パルスオキシメーターの測定原理は
測定原理を説明する前に血液の色について説明します。
なぜ、血液が赤いのかわかりますか。
血液が赤いのは、赤血球に含まれているヘモグロビンという色素のためです。
このヘモグロビンは酸素と結合する性質を持っています。
肺で取り込んだ酸素は、肺に流れる血液中のヘモグロビンと結合して心臓に戻り、そして全身へと運ばれます。
ヘモグロビンは酸素と結合すると赤くなり、酸素から離れると黒くなるという性質を持っています。
酸素と結合したヘモグロビンを酸化ヘモグロビン、酸素から離れたヘモグロビンを還元ヘモグロビンというよ。
これを踏まえた上でパルスオキシメーターの測定原理を説明するね。
酸化ヘモグロビンは赤外光をよく吸収します。
還元ヘモグロビンは赤色光をよく吸収します。
パルスオキシメーターはこれらの特徴を利用し、赤色光と赤外光という異なる2種類の波長の光を当て、それぞれの透過率から酸素飽和度を求めています。
パルスオキシメーターの正常値は
パルスオキシメーターの正常値は、安静時の健常者で96%~98%ぐらいです。
肺や心臓に慢性的な病気がない健常者のパルスオキシメーターの値が93%程度になると、医療従事者は焦り始め90%を切ると慌てます。
90%を下回ると呼吸不全といわれる重篤な呼吸障害になるよ。
パルスオキシメーターの値が低くなると酸素療法や人工呼吸の治療が必要になります。
しかし、パルスオキシメーターの値は呼吸の仕方、姿勢、動作の状況などで変化します。
極端な例では酸素の薄い何千メーターの高所ではパルスオキシメーターの値が75%などに低下し、深呼吸をすると90%以上に回復するという例もあります。
パルスオキシメーターの注意点
正しい値を測定するために、以下の注意点をしっかり守りましょう。
- マニキュアを塗っていたり指が汚れていると正しい値が測定できない
- 測定中は指先を動かさない
- 指先が冷えていると血液のめぐりが悪くなるため測定できない
- 日光など、強い光が当たると正しい値が測定できない
まとめ
- パルスオキシメーターは血液中の酸素を簡単に測定してくれる
- 測定部位は指先、額、耳たぶの3か所で、指先に挟むクリップタイプが主流
- パルスオキシメーターの正常値は安静時の健常者で96%~98%ぐらい
- 90%を下回ると危険である
- 測定誤差を無くすために注意点をしっかり守る